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日本の和美を様々な場面で探してみる。そんな場所です。


by irokeseikatu

歳時記 菜種梅雨


せっかく桜も咲き、春がきたと思っても
三寒四温というように、春先は気温の差が激しく

ついつい体調を崩す人も多い。

なかなか冬の暖房器具を手放せないのも事実だ。

こういう時期や気候のことを

日本語ではこう称す。 菜種梅雨

歳時記 菜種梅雨_b0074374_7581532.jpg


まるで
菜の花の甘い香りが雨とともに空から漂ってきそうなネーミングだ。



3月下旬から4月上旬にかけて、菜の花
別名 、菜種の咲いている時期に降り続く雨のことを
「菜種梅雨」と称する。


菜の花をはじめ色々な花を催す、咲かせるという意味があり、
催花雨(さいかう)という別名もある。


別の説として「菜花雨」(菜種の花の雨)から「菜種梅雨」になったという話も。

同じ時期の雨表現で、春雨というのもある。
春雨は、同じ時期の優しい雨のことをさす場合が多い。

しとしとと降る暖かい気温の雨は春雨で
菜種梅雨は、ちょっと強めの刻みよい雨をさすのだろうか。

春から夏にかけては、植物にとって
成長を促す大切な雨が降ることから
雨に植物の名前が付いているものが多い。


コンクリートに囲まれた箱のなかで、モルモットのように生活する現代。


自然の流れとともに生活が動いていた昔に創り出された言葉で
色褪せたコンクリート世界の現実生活のなか
季節の移り変わりを感じてみる風情もなかなか悪くない。

歳時記 菜種梅雨_b0074374_895465.jpg


「菜種梅雨」の季節が終わると
5月初旬は「たけのこ梅雨」。
たけのこの煮付けやお吸い物が各家々のお台所から香りそうな……

5月中旬からは「卯の花くたし」。
そして梅の実の熟す時期には「梅雨」となる。


日本語には色気ある世界がたゆまなく受け継がれている。

※昔は旧暦で言葉が作られているので、現在の旬のものの時期とずれているのはしかたない。


読んで頂きありがとうございます。日々、色気あるものを探して精進いたします。

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by irokeseikatu | 2006-04-11 08:11 | は・言葉